ボクのワークスペースは他のみんなとはちょっと隔離されたところにある。サーバー類が設置してあるいわゆる電算室というやつだ。どこらへんがいわゆるなのかは大正生まれの親方に聞いて欲しい。
いまも背後でサーバー三台の冷却クーラーの音がひゅんひゅん唸っている。
ここには他に女性が二人いる。二十代半ばが一人と三十代後半が一人。YさんとKさんとしよう。
Kさんは世間一般でいう御局様というやつだ。部長の奥さんだ。ムーミンみたいだ。歩くと地震を伴うのだ。
このKさんはかなりの気分屋で、機嫌が悪いとさぁたいへん。あからさまに不機嫌な顔を真っ赤にして、受話器は叩きつけるわドアは激しく閉めるわ書類は投げ捨てるわ舌打ちはするわで、こっちまで不機嫌になってくるくらいだ。
それで色々と悪態や罵詈雑言を吐いたり同意を求めてきたりするのだけれど、ボクは別に仲良くなろうとも思わないし他人は他人の意見として捉えるので同調する気分にもならないのだが、Yさんはそうはいかない。二人しかいないわけだし相手はお局様だし、ご機嫌取りしなくちゃいけないのだ。
無理して話を合わせたり同意してみせたり愛想笑いをしてみたり、見ていてかわいそうになる。かわいそうになるのだが、なんだか最近は話を合わせているだけなのかほんとにそう思っているのかわからなくなってきた。楽しそうに悪口をたたいているように見えるからだ。
元々笑顔の可愛いいいコだから、楽しいときや愉快なときにだけ笑って欲しいなぁと思う。違うことは違うと言える勇気をもってほしいなぁって。
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