昔の自分に

2002.09.02
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詩や小説を書いていると、自分のブラインドタッチの遅さや文字を書く遅さに苛々してくる。
頭の中で流れる物語はどんどん進行していくのに、それを表面化する速度が追いつけない。語学力のなさもそうだ。

いつも待ったをかけて、空想にスローダウンしてもらう。そうこうしているうちに時間ばかりがたってしまって、せっか浮かんだ旋律やひらめきがどんどん抜け落ちていく。

二十歳ぐらいのころだったと思う。寝ようとする瞬間になると、言葉が溢れてどうしようもない時期があった。
枕元には紙と鉛筆を常備しておくのだが、目を閉じると浮かんでくる言葉を書きなぐり、また目を閉じて、また目を開けて…
そんなことを繰り返していくうちに、昇りかかる朝日の先端が窓から滲んでくる。睡眠時間は2時間くらい。そんな日々が一ヶ月ほど続いた。
不思議と、日中に眠気を感じたことはなかった。

いまでもたまにそんなことがある。でもそれは数十日に一日ぐらいの割合でしかなく。それが寂しいし怖いと思う。
老いていくことは仕方がない。体力や知力が磨り減っていくことは、どうやっても避けられないこと。
けれど、以前は確かにここにあったはずの感性が薄れていくことは、自分が崩れていくようで怖い。

「 なにやってんの?誰だおまえ? 」そう、昔の自分に言われるようになる時が、いつかきてしまうかもしれない。
なるべくその時が先になるように、いまはただ、ハングアップするまで動こうと思う。限界にならなければ限界はわからないから。

いつになく、センチメンタルジャーニーな桜井でした。

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