「 今日、お墓参りどうする? 」
そう言われて、はっとした。
そうだ今日が命日だった。
妹にメールをして、今日は家に居るように伝えた。
用事を片付けてから家に帰るとすでに夜。
真っ暗な墓場を、懐中電灯をかざしながら歩いた。
誰か供えていったビールの缶を見て、お酒が好きだった父の顔を思い出す。よく、テレビを見たままコタツで寝ていたっけ。
両脇に花がちょんと挿してあって、夜ということもあり寂しさが胸にくる。
大丈夫。ふたりで仲良くやってます。
忘れゆくことは切なく、それでも月日が記憶を薄め、気づけば何日も顔を思い出していないことに驚く。
人間というのは、なんてうまく悲しくできているのだろう。
あまり夢をみないわたしですから、出番はそんなにないと思いますが、たまには顔をのぞかせて、幻でも一家団らんするのもどうでしょう。
帰るまでに何度も振り返ったのは、きっと理由があったのです。
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