新幹線駆け込みごはん

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発車時刻は10時20分。
丸の内線からホームに降り立ったのは10時15分。
あと、5分。はたして男は列車に乗れるのだろうか?

駆け足で改札を出ようとして、男は思わず舌打ちをした。
そう、定期で乗って違う区間まで来ていたから、乗り越し清算をしなければならないのだ。
あせって小銭を落としながら、急いで清算を済ませ、改札を出る。時計は10時17分にさしかかっていた。
無理だ…。もうあきらめよう…。
そう思って男が急ぐ足をゆるめたときだった、目の前に「JR線、新幹線はこちら」の案内板が目の前に現れた。予想外にも、乗り場はそう遠くなかったのだ。
頭の中に響き渡る、あのときの先生の言葉。。

あきらめたら、そこで試合終了ですよ?

おれは、、おれは何をあきらめていたんだ!ばかやろう!
男は自分で頬を強く打つと、空いている乗車券販売機に飛び込み、息を荒げながら下車駅までの切符を買った。
「領収書の必要な方はボタンを押してください」
ごめんよかわいこちゃん。いま君の相手をしている暇はないのだよ。
お釣りをポケットにねじ込み、電光掲示板を目の端で追いながら改札を駆け抜けた。…20番ホーム。そこに男のゴールが待っている。

人ごみに遮られた通路を、男はひたすら走った。
黙々と、走って、走って、走り抜けた。
乗り場の手前で、もう一度改札を通る。
さすがに男も動転したのか、切符ではなく、さきほどねじこんだお釣りの千円札を入れようとする。が、もちろんそんなもの入るわけがない。

…なぜだ!…ナンジャタウンのパスチケットは入るのに、なぜ千円札は入らない!

それでもなんとか最後の関門をくぐり抜け、20番ホームの階段を音速(体感)で駆け上がった。頭上ではすでに発車のベルが鳴り始めていた。
力をっ! おれにフォースの力をっ!
その刹那、男の体、いや魂は風となり、閉じようとする扉の隙間に吸い込まれていった。。
男は、神話となったのだ。


いや、まじでこんな感じだったんです。
あと10分早く家を出ればと思った一日でした。

ちなみに福島は雪でした。あ、帰省してたんです。
なんでも初雪だそうで。歓迎されたのかな?

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