2012年1月アーカイブ

指定された時間にだけ繋がる電話
まとめて返ってくるメール
わかりにくい答え
ずるずると何かにすがっている嫌悪感
適当な会話
たまにするミスだけ上司に見つかる
机の奥に隠した嘘
友だちの友だちは赤の他人
忙しいふりをして歩く
貸したものが返ってこない
仲間はずれがこわい
人間がこわい
同じ状況にあるという馬鹿みたいな安心感
空っぽのシャンプーボトル
誰かの長い髪
誰かの甘い言葉
誰かもわからないアドレス帳
繋がりは弱くて脆い
自分も
世界も


「雪、降ってるよ」

携帯を閉じる 目を閉じる
窓を開ける 目を開ける
大粒の雪が
何度も 何度も降っていた

体に触れえる
確かなものだけが
ここにぼくらを繋いでいる

この雪は積もるだろう
いまじゃなくても
きっといつかは
日付が変わる少し前に家を出た
近くに小さな神社があることを思い出して
ゆったりとした坂道をふたりで下った
白い息が溶けて消える冷たさ
寄り添うほうの肩だけが暖かい

誰もいないだろうと思っていた境内には
驚くほどの人だかりがあって
ちょっとだけテンションがあがる
やばい、大晦日やばい
顔を見合わせながらあやふやな列に並ぶ
みすぼらしいはずの本尊が
いまだけは妙に堂々として見えた

恥ずかしげに始まったカウントダウンが
だんだんとボリュームを上げていく
5・・4・・3・・2・・

終わる
今年が終わる
始まる
今年が始まる

前へ前へと押し出され
いつの間にか目の前の人垣が散っていく

賽銭を投げ入れる
柏手を打つ
頭を垂れて目を閉じる
「どんな願いことしたの?」
階段を下りていく背中に訊く
「うーん。。幸せにする、的な?」
それは願いではなく、誓いでした

ひとりきりでは愛は生まれず
愛だけで愛は続かず
話すだけでは心は知れず
引かれゆく手の強さだけを信じた
あなたが大好き